和ろうそくの普及に向けたマーケティング戦略の提案と実践
SDGs
活動対象・地域 西宮市
主な連携先(協力団体)等 (有)松本商店、西宮商工会議所
連携時期 2019年10月~2022年3月
連携活動の目的
赤岡ゼミはマーケティングを専門とし、企業が経済的価値(@売上や利益の向上など)とともに社会的価値(@環境問題解決や伝統的産業の継続など)を両立させ、顧客や社会に商品やサービスを提供していくためのマーケティング戦略の枠組づくりを研究している。その研究枠組みを用いて、明治時代から西宮市で続く和ろうそく専門店である松本商店と、いかにして和ろうそくの魅力を社会に伝え、和ろうそく市場を活性化していくのかというテーマに取り組んでいった。
活動概要
1.和ろうそくの現状把握
①和ろうそくの歴史、課題
松本商店の松本恭和氏より、日本における和ろうそくの現状や課題のレクチャーを受けた。
②和ろうそく製作の見学
松本商店の工房(西宮市)を見学し、和ろうそくの製造工程を理解するとともに、実際に製作体験をさせてもらった。
③アンケート調査
和ろうそくの知名度や使用経験などを把握するために、若者(主として学科の学生)とその家族に調査を実施した。
2.松本商店とのディスカッション:計5回
アンケート調査の結果を参考にしながら、コロナ禍での戦略対応として「絵ろうそく絵付け体験のオンライン化 」、月命日、誕生日などのイベントなどのサブスクの仕組みを活用した「絵ろうそく、和ろうそくの定期購入」、子どもの教育とリンクさせた「和ろうそくキッド」、ターゲットを10代~30代に設定した「バスキャンドル」などの具体的な提案をし、松本商店の社員の方と、その戦略の問題点や実現可能性についてディスカッションを行った。とりわけ、若者に和ろうそくを認知してもらうことを目的に、かれらの身近に感じることができる新製品づくりを中心に、活動を進めていった。
活動の成果
・さまざまなマーケティング戦略を提案する中で、最終的には、和ろうそくの魅力を若い世代に知ってもらうことを目的に、新製品開発を行った。この新製品とは、和ろうそくに新しいイメージを付与するために、形と香りに注目し、原料のもくろうを、しおり形に固めて花を埋め込み、アロマの香りをつけて、インテリアとして楽しめるように工夫したもので、もくろうと、幸せを呼ぶクローバーをかけて「アロマもくろうバー」と名付けた。また、商品化の第1弾として、2021年度の情報メディア学科の卒業記念品として形にし、卒業生に贈呈することができた。
・SDGsに関心の高いZ世代であるゼミ学生にとって、マーケティングの知識や知恵を、日本の伝統的文化に関連する現場で実践することができたことは大きな学びの機会であった。
今後の活動・目標
・継続的な連携活動にいかにしていくかが今後の課題である。
教員業績 社会情報学科 赤岡 仁之